「面積、わからん」。
平面図形で止まる子の多くは、公式を忘れたのではありません。「どれが底辺で、どれが高さか」が決められないのです。
だから、親が返す問いは1つです。「底辺と高さはどこ?」。この記事では、面積の考え方の基本と、入試で問われる「面積の差」の見方をまとめます。
この記事のポイント
・合言葉は 「底辺と高さはどこ?」。高さは、底辺に垂直な長さ
・三角形の面積は、同じ底辺・高さの平行四辺形の半分
・面積の「差」を聞かれたら、差の部分だけを切り取って見る
基礎問題
底辺が10cm、高さが6cmの平行四辺形があります。(1)この平行四辺形の面積は何cm²ですか。(2)底辺と高さが等しい三角形の面積は何cm²ですか。

解き方 ― 三角形は「半分」
親の声かけ
「底辺はどれ? 高さは、底辺から垂直に測った長さだね」
(1)平行四辺形の面積は、底辺 × 高さです。
10 × 6 = 60cm²。
なお、高さは斜めの辺の長さではありません。底辺に対して垂直な長さです。ここを取り違える子がとても多いところです。
親の声かけ
「三角形って、平行四辺形をどうしたらできるんだった?」
(2)平行四辺形を対角線で切ると、同じ形の三角形が2つできます。
三角形の面積は、平行四辺形のちょうど半分です。
10 × 6 ÷ 2 = 30cm²。
「底辺 × 高さ ÷ 2」の「÷2」は、この「半分」のことです。公式を丸暗記するより、半分だという絵を思い出せるほうが、応用が利きます。
もう1つ、大事な見方があります。三角形の頂点を、底辺と平行な方向に動かしても、底辺と高さが変わらないので面積は変わりません(等積変形)。入試の図形は、この見方で解く問題が多く出ます。
応用問題(攻玉社中学 2022年 入試問題)
ある正方形と、その正方形より1辺の長さが3cm長い正方形は、面積の差が90cm²です。小さい方の正方形の1辺の長さは何cmですか。

実際の入試問題です。小さい方の1辺を□cmとして式を立てても解けますが、図で見ると一気に分かります。
親の声かけ
「差の部分だけを切り取って見てみよう。その部分は、どんな形に分けられる?」
2つの正方形を左下にそろえて重ねると、差の部分はL字の形になります。
このL字は、次の3つに分けられます。
・3cm × □cm の長方形が 2つ
・角の 3cm × 3cm の正方形が 1つ
角の正方形の面積は
3 × 3 = 9cm²。
長方形2つぶんは
90 − 9 = 81cm²。
長方形1つは 81 ÷ 2 = 40.5cm² で、
□ = 40.5 ÷ 3 = 13.5cm です。
検算します。大きい正方形は1辺16.5cmで面積は272.25cm²、小さい正方形は182.25cm²。差は90cm²。合っています。
「全体を計算して比べる」のではなく、「差の部分だけを見る」。これが、図形の面積で入試が問う考え方です。
親の役目は、ここまでで十分です
教えるのは、聞かれたときの1問だけ。深い積み残しの立て直しは親の役目ではなく塾の仕事です。
「底辺と高さはどこ?」と聞き返すところまでは、ご家庭で十分に支えられます。面積比や相似など、図形の積み重ねが必要な部分の立て直しは、塾にお任せください。