「三権分立は覚えたのに、問題になると分からない」。憲法と政治のしくみは、言葉を覚えるだけでは解けません。「誰が、誰を、どう見張るか」という関係で覚える単元です。
この記事では、親が隣で一緒に図をたどる形に絞ります。合言葉は「矢印をたどる」。機関の名前ではなく、矢印の向きで確認します。
この記事のポイント(先にまとめます)
- 役割は3つ:国会=法律を作る、内閣=法律をもとに政治を行う、裁判所=きまりに合っているか判断する
- 覚えるのは名前ではなく矢印(チェックの向き)。指名・解散・不信任・違憲審査が主な矢印
- すべての矢印の出発点は国民。選挙と国民審査で、最後は国民の判断に戻る
基礎|三権分立の図をたどる
資料
次の図は、三権分立のしくみを表したものです。国会・内閣・裁判所と国民の関係を示しています。
問い1:法律を作る機関はどこですか。
問い2:内閣総理大臣を指名する機関はどこですか。
問い3:法律が憲法に違反していないかを判断する機関はどこですか。

解き方|矢印の出発点から追う
親の声かけ
「名前を聞く前に、矢印をたどってみて。矢印はどこから出ている?」
法律を作るのは国会です(問い1)。国会から内閣への矢印が「内閣総理大臣の指名」で、指名するのは国会です(問い2)。
下の大きな矢印は、裁判所から国会・内閣へ向かっています。法律が憲法に違反していないかを判断する違憲審査で、判断するのは裁判所です(問い3)。法律を作る国会も、憲法の範囲をこえることはできない、という歯止めです。
答えの形:問い1=国会。問い2=国会。問い3=裁判所。
応用|場面で見る三権のチェック(入試レベルの応用問題)
次の図は、「ある法律が憲法に違反しているのではないか」と裁判で争われた場面の流れです。入試でよく出る「場面・事例で問う」形式の問題です。

問い1:この流れの中で、法律が憲法に違反しているかどうかを判断するのは、どの機関ですか。
問い2:国会が内閣不信任を決議したとき、内閣にできることは2つあります。何と何ですか。
問い3:衆議院が解散されたあと、国民は何をしますか。
応用の解き方|「困るのは誰か」で場面を分ける
親の声かけ
「その場面で、見張られているのは誰? 見張っているのは誰?」
問い1は、流れの4番目にある裁判所です。裁判所は、具体的な裁判の中で、その法律が憲法に違反していないかを判断します(違憲審査)。
問い2は、総辞職か、衆議院の解散です。問い3は、解散のあとの総選挙で投票することです。内閣と国会が対立したとき、最後に決めるのは国民、というのが民主政治の約束です。
答えの形:問い1=裁判所。問い2=総辞職と衆議院の解散。問い3=総選挙で国会議員を選ぶ。三権分立は、場面の中で「誰が誰を見張っているか」を言えれば、記述問題にも対応できます。
親の役目は、ここまでで十分です
一緒に読むのは、聞かれたときの1問だけで十分です。毎日教えようとしなくて構いません。
何度も同じところで止まる、どこから分からなくなっているのか見えない。そういう深い積み残しの立て直しは、親の役目ではなく塾の仕事です。ご家庭では、無理のない範囲で隣にいてあげてください。