記述問題で白紙になったり、本文と関係のないことを書いてしまったりする原因の多くは、内容以前に「答える形」が決まっていないことです。
この記事では、書き始める前に決める3点セット ― 問い・本文・字数 ― を、親が隣で確認できる形でまとめます。合言葉は、「問い・本文・字数、3つそろった?」です。
この記事のポイント(先にまとめます)
- 問い:問われたことに答える ― 「なぜ」なら理由、「どういうこと」なら言い換え
- 本文:本文の言葉を使う ― 自分の経験や感想だけで書かない
- 字数:書いたあとに数える ― 指定の字数に収まっているか確認する
- 国語共通の合言葉は 「根拠は本文のどこ?」 ― 答えの根拠は、本文の言葉で示す
基礎|本文の理由を、そのまま形にする
例文(自作)
朝ごはんを食べると、午前中の集中力が高まる。脳は寝ている間も働き、朝にはエネルギーが不足しているからだ。朝ごはんは、その不足したエネルギーを補う働きをする。
問い:なぜ、朝ごはんを食べると午前中の集中力が高まるのですか。本文の言葉を使って、40字以内で答えなさい。

解き方|悪い例と良い例を比べる
親の声かけ
「「なぜ」と聞かれてるね。理由は本文のどこに書いてある? その言葉を使ってみて」
悪い例:「朝ごはんはおいしくて、元気が出るから。」― 自分の感想で、本文の理由を使っていません。
良い例(模範解答):「朝は脳のエネルギーが不足していて、それを補えるから。」(26字)― 本文の「朝にはエネルギーが不足している」「不足したエネルギーを補う」を使い、40字以内に収まっています。
ポイントは、うまい文を書くことではありません。問いの形に合わせて、本文の理由を置くことです。
応用|書いたあとの確認までが1セット(入試と同じ形式の問題です)
次の文章も自作の例文です。設問の形式は、入試でよく出る「理由を字数指定で書く形式」で作っています。
例文(自作)
あいさつをすると、相手との距離が縮まる。声をかけることで、相手に「あなたを認めています」という気持ちが伝わるからだ。あいさつは、短い言葉でも、人と人をつなぐ役割を持っている。
問い:なぜ、あいさつをすると相手との距離が縮まるのですか。本文の言葉を使って、40字以内で答えなさい。

応用の解き方|3つの確認を声に出す
親の声かけ
「書き終わったら確認しよう。理由になってる? 本文の言葉はある? 字数は数えた?」
模範解答:「声をかけることで、相手を認める気持ちが伝わるから。」(25字)
確認は3つです。①「なぜ」への答えとして、文末が「〜から」など理由の形になっているか。②本文の「声をかける」「認める気持ちが伝わる」を使っているか。③字数を数えて、40字以内に収まっているか。この確認を毎回同じ順番ですると、記述の形が安定します。
親の役目は、ここまでで十分です
一緒に読むのは、聞かれたときの1問だけで十分です。毎日教えようとしなくて構いません。
何度も同じところで止まる、どこから分からなくなっているのか見えない。そういう深い積み残しの立て直しは、親の役目ではなく塾の仕事です。ご家庭では、無理のない範囲で隣にいてあげてください。