「このときの気持ちは?」と聞くと、お子様が「なんとなく、悲しいと思う」と答えることはありませんか。気持ちそのものは合っていても、理由を本文から言えないと、入試では点になりにくいのが物語文です。
この記事では、親が隣で確認できる形に絞ります。合言葉は1つだけ、「根拠は本文のどこ?」です。答えを教えるのではなく、本文の言葉を指させるようにします。
この記事のポイント(先にまとめます)
- 合言葉は 「根拠は本文のどこ?」 ― 気持ちを言ったら、必ず本文の言葉に戻る
- 気持ちは2か所から探す:気持ちを表す言葉と、その理由が書かれた部分・行動
- 気持ちが変わる場面では、はじめとおわりを分けて根拠を探す
基礎|気持ちの言葉と、理由の部分を分けて探す
例文(自作)
放課後、ゆいは校庭のベンチに座っていた。明日は持久走大会だ。去年は途中で歩いてしまったことを思い出し、胸がちくりと痛んだ。「今年こそ、最後まで走りたい」と、ゆいは靴ひもをきつく結び直した。
問い:このときの、ゆいの気持ちを答えなさい。

解き方|まず線を引く場所を聞く
親の声かけ
「気持ちはわかったね。根拠は本文のどこ? 気持ちが書いてある言葉に、線を引いてみて」
最初に引くのは、「胸がちくりと痛んだ」です。これは、去年途中で歩いてしまったことを思い出して、不安で、くやしい気持ちを表しています。
次に、「靴ひもをきつく結び直した」という行動を見ます。「今年こそ、最後まで走りたい」という言葉と合わせると、弱気なだけではなく、頑張ろうという決意も読み取れます。
答えの形:去年途中で歩いてしまったことへの不安やくやしさを感じながらも、今年こそ最後まで走りたいと決意している気持ち。気持ちの言葉と行動の両方を根拠にすると、この形になります。
応用|気持ちの変化を読む(入試と同じ形式の問題です)
次の文章も自作の例文です。設問の形式は、入試でよく出る「気持ちの変化を問う形式」で作っています。
例文(自作)
たけるは、弟のゆうたが作った紙飛行機を、誤って踏んでしまった。ゆうたは黙ってうつむき、紙飛行機をそっと拾った。たけるののどが熱くなった。「ごめん。明日、一緒に直そう」と言うと、ゆうたは小さくうなずいた。たけるはほっとして、胸のつかえがすっと消えた気がした。
問い1:「たけるののどが熱くなった」ときの、たけるの気持ちを答えなさい。
問い2:最後のたけるの気持ちは、問い1と比べてどのように変わりましたか。

応用の解き方|場面を分けて、変化を比べる
親の声かけ
「気持ちが変わったのは、どこから? はじめの場面と、最後の場面で分けてみて」
問い1の根拠は、その直前にある「ゆうたは黙ってうつむき、紙飛行機をそっと拾った」です。弟を傷つけてしまったことへの、申し訳なさと後悔が、「のどが熱くなった」という表し方になっています。
問い2は、最後の「ほっとして、胸のつかえがすっと消えた気がした」が根拠です。謝って「一緒に直そう」と言い、弟がうなずいてくれたことで、申し訳なさが安心へ変わった、と読めます。
答えの形:問い1=弟の紙飛行機を壊してしまったことへの申し訳なさと後悔。問い2=謝って一緒に直すことを約束し、弟が受け入れてくれたことへの安心。
親の役目は、ここまでで十分です
一緒に読むのは、聞かれたときの1問だけで十分です。毎日教えようとしなくて構いません。
何度も同じところで止まる、どこから分からなくなっているのか見えない。そういう深い積み残しの立て直しは、親の役目ではなく塾の仕事です。ご家庭では、無理のない範囲で隣にいてあげてください。