「てこ、わからん」。
家庭学習で、こう言われることはありませんか。
てこは、公式をそのまま教えても、支点の位置が変わると止まります。見るべきものは1つだけです。親が返す「問い」を決めておけば、隣で一緒に進められます。
先にポイントをまとめます。
この記事のポイント
- 合言葉は 「支点からのきょりと重さ、かけたら同じ」
- 重さだけではなく、支点からのきょりもいっしょに見る
- 棒そのものに重さがあるときは、「重心はどこか」を先に探す
今日の問題
棒の重さは考えないものとします。支点から左30cmのところに40gのおもりをつるし、支点から右20cmのところにおもりをつるして、棒を水平にしたいと思います。右のおもりは何gですか。
解き方:比べるのは「きょり×重さ」
てこのつり合いは、重さそのものでは比べません。支点からのきょりと重さをかけた大きさで比べます。ここで親が返すのは、答えではなくこの一言です。
親の声かけ
「支点から遠いのはどっち? きょりと重さをかけたら、どうなる?」
左側は、支点からのきょり30cm、重さ40gです。
40 × 30 = 1200 になります。
右側は、きょり20cmです。つり合うには、右も1200になればいいので、
1200 ÷ 20 = 60
答えは 60g です。
支点に近い側は、重いおもりでないとつり合いません。「近いほど重く、遠いほど軽く」が、てこの感覚です。
応用問題(共立女子第二中学校 2023年度 入試問題をもとに作成)
重さ100g、長さ80cmで、太さが一定の割合で変化する棒があります。この棒を、左はしから30cmはなれた点で支えると、棒は水平に保たれました。この支点で棒をつるし、左はしにおもりG(40g)をつるします。さらにおもりH(40g)を支点より右側につるして棒を水平に保ちたいとき、おもりHは左はしから何cmのところに取り付ければよいですか。
棒に重さがあるタイプです。でも、最初に見るものは決まっています。
親の声かけ
「棒の重さは、どこにかかっていると思う?」
棒を支点で支えると水平に保たれた、ということは、棒の重心(重さの中心)が、ちょうど支点の真上にあります。重心は左はしから30cmのところです。
重心が支点の真上にあるので、棒の重さは支点を回すようにははたらきません。つまり、この問題では棒の重さは考えなくてよくなります。
左はしのおもりGは、支点から左へ30cmのところにあります。
40 × 30 = 1200 です。
おもりHも40gなので、つり合うには支点からのきょりが同じ30cm必要です。
支点は左はしから30cmのところにあるので、Hの位置は 30 + 30 = 60
答えは、左はしから 60cm のところです。
棒の重さが出てきたら、まず重心を探す。重心と支点が重なれば、棒の重さは消えます。
教えるときのチェックリスト
答えではなく、問いを返す
最初の一言は「きょりと重さをかけたら?」。ここがてこの入口です。
重さだけで比べない
支点からのきょりが違うと、同じ重さでも回す力は変わります。
棒の重さは「重心」で処理する
重心が支点の真上にあれば、棒の重さは回転に効きません。
親の役目は、ここまでで十分です
教えるのは、聞かれたときの1問だけで十分です。
毎日教えようとしなくて構いません。
何度も同じところで止まる、どこから分からなくなっているのか見えない。そういう深い積み残しの立て直しは、親の役目ではなく塾の仕事です。ご家庭では、無理のない範囲で支えてあげてください。