「ものの溶け方、わからん」。
グラフと計算が出てきて、苦手意識を持ちやすい単元です。でも、見るべきものは「溶ける限度の差」だけです。
先にポイントをまとめます。
この記事のポイント
- 合言葉は 「冷やすと、溶けきれなくなった分が出てくる」
- 溶解度=水100gに溶ける限度の量。まず限度を確認する
- 食塩は温度でほとんど変わらない。ミョウバンは温度で大きく変わる
- 結晶の量は「はじめに溶けていた量 − 冷やしたあとの限度」で出す
今日の問題
20℃の水100gに、ミョウバン20gを入れてよくかき混ぜました。溶け残りは何gですか。ただし、20℃の水100gにミョウバンは11.5gまで溶けます。
解き方:まず「限度」を確認する
溶け方の問題は、入れた量の前に「限度」を確認します。ここで親が返すのは、この一言です。
親の声かけ
「20℃では、100gの水に何gまで溶ける? まず限度を確かめて」
20℃の限度は11.5gです。入れたのは20gなので、溶けるのは11.5gまでです。
溶け残りは 20 − 11.5 = 8.5g になります。
答え:溶け残りは 8.5g です。
この水溶液を温めていくと、限度が大きくなるので、溶け残りはだんだん減って全部溶けます(60℃では57.5gまで溶けます)。逆に冷やすと、溶けきれなくなった分が結晶になって出てきます。これが次の応用です。
応用問題(共立女子第二中学校 2023年度 入試問題をもとに作成)
ミョウバンが水100gに溶けている量を調べると、表のようになりました。60℃の水100gにミョウバンを限度まで溶かしてから、20℃まで冷やすと、結晶になって出てくるミョウバンは何gですか。
| 水の温度〔℃〕 | 0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 | 60 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 溶けている量(限度)〔g〕 | 5.7 | 7.6 | 11.5 | 16.4 | 24.0 | 36.1 | 57.5 |
冷やしたときに出る結晶は、「増えた・減った」の差で考えます。
親の声かけ
「冷やしたあと、水の中に残れるのは何gまで?」
60℃では、限度いっぱいの57.5gが溶けています。
20℃まで冷やすと、限度は11.5gまで下がります。水の中に残れるのは11.5gだけです。
残れなくなった分は 57.5 − 11.5 = 46.0g で、これが結晶になって出てきます。
答え:46.0g です。
食塩は、冷やしても限度がほとんど下がらないので、この方法では結晶を取り出せません。物質によって「温度で変わるかどうか」が違うことまで言えれば、応用の読み取りは十分です。
教えるときのチェックリスト
最初に「限度」を確認する
溶解度は水100gあたりの限度です。入れた量と比べる前に、限度を押さえます。
結晶の量は「差」で出す
はじめに溶けていた量から、冷やしたあとの限度を引いたものが結晶です。
食塩との違いを言えるようにする
温度で限度が大きく変わる物質と、変わらない物質がいます。グラフの形で見分けます。
親の役目は、ここまでで十分です
教えるのは、聞かれたときの1問だけで十分です。
毎日教えようとしなくて構いません。
何度も同じところで止まる、どこから分からなくなっているのか見えない。そういう深い積み残しの立て直しは、親の役目ではなく塾の仕事です。ご家庭では、無理のない範囲で支えてあげてください。