「中和の問題、わからん」。
家庭学習で、こう言われることはありませんか。
親の威厳を保つためにも基礎基本は一緒に考えたいですよね。
中和は、計算に入る前に「いま酸性か、アルカリ性か」を色で追う単元です。BTB溶液の色が、そのまま考える道しるべになります。親が返す問いも、この1つです。「色は、どう変わった?」
この記事のポイント
・合言葉は 「緑になったところが、ちょうど中和」
・BTB溶液の色は、酸性で黄色、中性で緑色、アルカリ性で青色
・ちょうど中和する量どうしは比例する。もとの量が2倍なら、要る量も2倍
基礎問題
BTB溶液を入れた塩酸20cm³に、水酸化ナトリウム水溶液を少しずつ加えていきました。加えた量と色の変化は、図のとおりです。(1)ちょうど中和したのは、水酸化ナトリウム水溶液を何cm³加えたときですか。(2)塩酸40cm³をちょうど中和するには、水酸化ナトリウム水溶液は何cm³必要ですか。

解き方 ― 色の変化を追う
親の声かけ
「緑になったのは、どこ?」
色が緑になったのは、20cm³を加えたときです。
(1)の答えは 20cm³ です。
黄色の間は、まだ酸性が残っています。
青になったら、アルカリ性が余っています。
親の声かけ
「塩酸が2倍になったら、要る量はどうなる?」
中和する量どうしは比例します。塩酸が 20cm³ から 40cm³ へ2倍になったので、
要る量も 20 × 2 = 40cm³ です。
応用問題(慶應普通部 2014年度 大問1の実験をもとに)
塩酸(A液とする)10mLと、水酸化ナトリウム水溶液(B液とする)20mLを混ぜると、BTB溶液の色が緑色になりました。できた水溶液を加熱して水分を蒸発させると、白い固体(食塩)が1.2g残りました。(1)A液30mLをちょうど中和するには、B液は何mL必要ですか。また、そのときに残る白い固体は何gですか。(2)A液10mLにB液を10mLだけ混ぜると、色は何色になりますか。また、残る白い固体は何gですか。

実際の入試問題の実験です。色が緑ということは、A液10mLとB液20mLが、ちょうど中和する組み合わせだということです。
親の声かけ
「A液が3倍になったら、B液と固体はどうなる?」
(1)A液が 10mL から 30mL へ3倍になったので、
B液は 20 × 3 = 60mL 必要です。
できる食塩も3倍で、
1.2 × 3 = 3.6g 残ります。
親の声かけ
「B液が半分しかないと、どうなる?」
(2)B液10mLは、中和に要る量の半分です。中和できるのは、A液の半分だけです。
中和できなかった塩酸が残るので、水溶液は酸性のままです。色は
黄色 になります。
食塩は、中和した分だけできます。
1.2 ÷ 2 = 0.6g 残ります。
残った塩酸は、蒸発させると水分といっしょに消えるので、固体には残りません。
中和の計算は、「中和した分だけ食塩ができる」が分かれ目です。混ぜた量ではなく、中和できた量で考えます。
親の役目は、ここまでで十分です
教えるのは、聞かれたときの1問だけ。深い積み残しの立て直しは親の役目ではなく塾の仕事です。
「色は、どう変わった?」と聞き返すところまでは、ご家庭で十分に支えられます。濃さのちがう液を混ぜる問題など、条件が増えたものの立て直しは、塾にお任せください。