「仕事算、わからん」。
家庭学習で、こう言われることはありませんか。
親の威厳を保つためにも基礎基本は一緒に考えたいですよね。
仕事算は、「Aさんは何日、Bさんは何日」と日数だけを見ていても進みません。先に「全体の仕事量」を決めてしまうと、1日分の仕事が見えてきます。親が返す問いも、この1つです。「全体を、いくつに置く?」
この記事のポイント
・合言葉は 「全体の仕事量を先に決める」。日数の最小公倍数に置くと、1日の仕事量が整数になる
・1日にする仕事量は、全体の仕事量 ÷ かかる日数
・2人分は、1日の仕事量を足すだけ。日数を足してはいけない
基礎問題
ある仕事を仕上げるのに、Aさん1人では10日、Bさん1人では15日かかります。この仕事を、AさんとBさんの2人ですると、何日で仕上がりますか。

解き方 ― 全体の仕事量を30と置く
親の声かけ
「全体の仕事を、いくつに置くと計算しやすいかな?」
全体の仕事量を、10と15の最小公倍数の
30 と置きます。
Aさんが1日にする仕事量は
30 ÷ 10 = 3 です。
Bさんが1日にする仕事量は
30 ÷ 15 = 2 です。
親の声かけ
「2人でやると、1日でどれだけ進む?」
2人で1日にする仕事量は
3 + 2 = 5 です。
全体が30なので、かかる日数は
30 ÷ 5 = 6日 です。
検算します。Aさんは 3 × 6 = 18、Bさんは 2 × 6 = 12。合わせて30。合っています。
日数をそのまま足して「25日」としてしまうのは、間違いのもとです。比べるのは日数ではなく、1日の仕事量です。
応用問題(立教女学院中学校 2025年度 問題1-(5))
ある仕事をするのに、Aさん1人では60日、AさんとBさんの2人では24日かかります。この仕事を、はじめの10日はBさん1人で行い、残りをAさんとBさんの2人でするとき、Aさんは何日働きますか。

実際の入試問題です。Bさん1人でかかる日数が、直接は書かれていません。でも、全体の仕事量を置けば、Bさんの1日分も出せます。
全体の仕事量を、60と24の最小公倍数の
120 と置きます。
Aさんが1日にする仕事量は
120 ÷ 60 = 2 です。
2人で1日にする仕事量は
120 ÷ 24 = 5 です。
親の声かけ
「Bさんだけの1日分は、どうやって出す?」
Bさんが1日にする仕事量は
5 − 2 = 3 です。
はじめの10日に、Bさんが1人でした仕事量は
3 × 10 = 30 です。
残りの仕事量は
120 − 30 = 90 です。
残りを2人ですると、かかる日数は
90 ÷ 5 = 18日 です。
Aさんが働くのは、この18日間です。
検算します。Aさんは 2 × 18 = 36、Bさんは 3 × 10 + 3 × 18 = 84。合わせて120。合っています。
入試の仕事算は、「1人の日数が書かれていない」形で出ます。全体を置いて、引き算で1人分を出すのが分かれ目です。
親の役目は、ここまでで十分です
教えるのは、聞かれたときの1問だけ。深い積み残しの立て直しは親の役目ではなく塾の仕事です。
「全体を、いくつに置く?」と聞き返すところまでは、ご家庭で十分に支えられます。仕事の量が途中で増えたり減ったりする問題の立て直しは、塾にお任せください。